理由は、本当にあったのか?|錯覚卿|錯覚卿

錯覚卿

錯覚卿 第2話

── 今日の揺れ ──

後付け


寄りのあと、高値圏で横ばいが続いていた。
大きくは伸びていないが、安値は切り下がらない。
一度押しても、下ヒゲをつけて戻る。
崩れていない形に見えていた。

上にいる。
それだけで、まだ続く側に寄る。
抜けてはいないが、抜ける直前にも見える。
ここで止まっているのも、ためているように見えた。

その状態のまま、持ち続けていた。
一度は含みも乗った。
減っても、崩れた感じはない。
だから、このまま上に行く。
そういう流れの中にいるつもりでいた。

少し時間が経つ。
足の並びを見直す。
さっきと同じ形のはずなのに、見え方が少し整ってくる。

押しは浅い。
戻りは早い。
崩れそうで崩れていない。
こういう形は強い。
そういう言葉が、あとから並び始める。

さっきは、そこまで考えていなかったはずだった。
ただ上にいるから持っていただけだった。
それでも今は、理由が揃って見える。
最初からそう判断していたように、並びが整っていく。

陰線も混じっている。
高値も越えていない。
止まっている時間もある。
だが、その部分はあまり前に出てこない。
整う材料だけが、自然と残る。

この形だから持っている。
この動きだから続く。
そう言い直したとき、最初の判断が少し変わる。
ただ持っていた状態に、意味が付けられていく。

同じ足の並びを見ているはずだった。
増えたものは何もない。
だが、並べ方だけが変わる。
その順番で、理由が出来上がっていく。

最初から理由があったのか。
それとも、持っていたあとに並べたのか。

次の足が動く前に、
その違いだけが、少し曖昧なまま残る。


→次話|自分の考えだと思っていた
→入口


怖さも欲もある。
  何も足さない。何も引かない。
→相場で勝つために、絶対に必要なこと


 

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